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予告無く仕様が変更になることがございます。 価格3,675円(税込) アルティザン&アーティストのイメージビジュアルなどの撮影を手がける、カメラマン松田敏美氏。 その情感あふれる作品の数々をご覧いただける写真集です。 光がいちばん強く存在を主張できるのは闇の中であり、影がいちばん濃いシルエットを残すのは光芒の束にさらされたとき。だからこそ光と闇のはざまにある「黄昏」は、曖昧でとりとめのない世界なのだろう。薄れていく陽と競うように灯がともり、ビル郡は輪郭だけになることで、その威容をさらに深めていく。曖昧だからこそ何もかも見え、淡色だからこそ様々な彩りを感じられる。「黄昏」は、五感にとどく幻想的な時空間。無人のベンチには、ただそこに居るためだけに腰掛ける老人が見える。駆け回る子供たちの嬌声が聞こえる。肌に触れる穏やかな風、水面に浮かぶ鳥たちの姿、紙コップから漂うコーヒーの香り、離れた街並みから微かに流れてくる喧騒……。残影とか残響とか言いきってしまうには、それらの実感はまだ確かすぎる「黄昏」どき。そして、陽が薄まるのと並行して実感も少しずつ、少しずつ消えていく。写真家は、見えないものを見ている。聞こえないものを聴いている。あるいは、見えているもの、聞こえてくるものを、敢えて遠ざけることで、曖昧さの中に実感を育てていく……できれば、そうありたい。「黄昏」にこだわる心の底に、常にそんな思いがある。
光が少ない環境下で名作を生むことは写真家にとって大きな挑戦であり憧れだ。この写真集の一葉一葉には昼と夜のはざまに移ろう危うい光のドラマが見事に写し込まれている。その光と闇が折りなす世界の何と魅力的なことか。日常に見慣れた光景が写真の魔力によってまるで別世界から舞い降りてきたかの様に息づき始めた。それは美しくも切ない。もしあなたが心に一抹の寂しさとロマンを秘めているなら、ぜひ引き込まれて欲しい一冊だ。
(ハービー・山口氏:文) |