愛機について
こんにちは。カメラアイテム営業のkmtです。
カメラ担当と言う事は、カメラに詳しいのかと言うと、はい、もはや沼ですw
実は20代は実際にドイツでカメラマンをやってました。
35mmだけでは飽き足らず、中判、大判まで経験し、所有したカメラは数知れず。
そんな私の愛機はこちら!
シュナイダー・クロイツナッハ社(Schneider-Kreuznach)
EXAKTA66 mod.3 (エギザクタ)です。何とガチの愛機はフィルム機でしたw
後ろから覗いているのはペンタックス645Z(マウントアダプターでエギザクタレンズを装着)。
このカメラをご存知の方は、おそらく私と同じ沼にハマった方かと思います。
大判カメラなどで広角の最高峰と謳われた銘レンズSuper Angulon(スーパーアンギュロン)を世に出したシュナイダー。
そのシュナイダーから発売された、最初で最後の一眼レフ型中判カメラがこのエギザクタ66でした。
大判ではツァイスもローデンシュトックもニッコールも経験しましたが、その中でもシュナイダーのレンズの素晴らしさは別格の印象です。
因みに大判は4×5版のトヨフィールドに、スーパーアンギュロン65mmと90mm、ジンマーS150mmを使っていました。
そんな中初めて一眼中判カメラでシュナイダーレンズが使えるこのカメラを知った時、これを手に入れない方法はありませんでした。
残念ながら、このカメラに用意されたレンズ群に前述のスーパーアンギュロンは含まれていません(40mmスーパーアンギュロンは生産計画はあり、当時のカタログには載ってたらしいですが、幻です。)が、ひけをとらぬレンズ群は非常に魅力的でした。
所有するレンズは60mmクルタゴンCurtagon、80mmクセノターXenotar、150mmテレクセノターTele-Xenotarの3本です。
どれも気に入っていますが、80mmはやはりハッセルブラッドのプラナーを意識していたせいか、写りも良好です。
ただし、このカメラには、その歴史から来る決定的な欠陥がありました。
それは「フィルム巻き上げが不安定でコマダブりをしてしまう」という、カメラとしては致命的なものでした。
それなのに何故か当時生産数のほぼ全てが、この欠陥を持ったまま市場に出回っていました。
驚くべき事に、初代mod.1から最終のmod.3までこの欠陥は改善を見ることはありませんでした。
私のエギザクタはレストアして、すでに巻き上げは良好ですが、レストア前は、ちゃんと撮れるのはせいぜい頭3コマ程度で、後はコマがダブっている事が多かったです。
この欠陥はどこから来たのでしょう。
それにはこのエギザクタが、冷戦の末に生まれたカメラであるという事が深く関わっています。
かのカールツァイスの歴史が東西冷戦に翻弄されたことはあまりにも有名ですが、このエギザクタもまたその影響を受けました。
次回はこのエギザクタ66の親に当たるカメラのお話をします。