TOPページ > ハービー・山口の「雲の上はいつも青空」 > 第14話 『気』 第14話 『 気 』9月は写真展づいていて、僕は東京で同時に5箇所で写真展を開いた。 ある日、ほとんどの人がポートフォリオを携さえていた。初心者もプロを目指す方もいた。総てのポートフォリオは僕の視点から見ると何かが共通して欠けていた。良く考えると「気」が不足しているのだ。写真家が写真を撮る時には「気」が求められる。写真家の発する「気」が被写体にオーラとして伝わり、それを受けた被写体が何かを返してくれる。このことによって、その人がその時にしか撮れない写真が撮れるのだ。「気」が弱いと被写体は、どういう気持ちでカメラに向かって良いか解らず中途半端な写真になってしまう。 なんとか自分の心、被写体の心を写したいと思っているはずだ。そのために「気」が必要なのだ。ロックバンドを撮る時にもこの「気」があれば、かっこいい写真を撮ってもらおうとミュージシャン達は感じてくれるものだ。スナップにしても風景にしても「気」は大切だ。デジカメを使い普通に撮ればとりあえず普通に撮れてしまう時代、撮影者がどんな「気」を持ち放つかで作風も、作品の良し悪しも決まってくるのではないだろうか。 |