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TOPページ > ハービー・山口の「雲の上はいつも青空」 > 第43話 『希望』

第43話 『 希望 』

2月13日から7日間、東京ミッドタウンにある富士フィルムフォトサロンで個展を開いた。7日間という短い期間だったが計4398人の方々に来ていただいた。一昨年、新宿にあるコニカミノルタで個展を開いた折は週末が2回あったので10日間の会期に1万人を超える方々が来てくれた。
富士フィルムフォトサロンでの個展には「青空を待っていた日」というタイトルをつけた。僕の中では、青空とは希望という意味をふまえている。人間は希望を失ったら終わりである。希望を持っている限りそれは生命力につながる。
日本各地で見つけた人々の一瞬のポジティブな光景や表情に出会ってはシャッターを押し、「人間には寂しい時もあるけど、こんなに楽しそうで力強い瞬間もあるんだ、世の中はまんざらではない、希望を持って一生懸命生きてみる価値はあるんだ。」と感じてもらうことが狙いだった。この写真展の冒頭にこんな挨拶文を書いた。

「街を歩き、何かしら魅力的なものに出会うと静かにシャッターを切る。 僕にとって、その魅力的なものとは、人々の平和な姿、生命力、そして笑顔だ。 何故僕はこうしたものに人一倍惹かれるのだろうか。
それは、幼少期から少年期にかけて十数年、僕が背負ってきたカリエスという病気によるものだった。 腰椎の鋭い痛み、疲労感、孤独や将来への不安と戦いながら、希望もないままいつも教室の隅に隠れる様にしていた。僕には、平和も生命力も笑顔も心を許す友人も総てが無縁だった。病気が治りはじめて軽い運動が許されたのは高校の時だった。それが由に、現在、街で見つけた何気ないポジティブな光景にも限りない魅力と憧れを抱くのだ。
だが、その光景は、まるでおとぎ話の中の出来事の様にはかなくも、現実という厳しさの中にかき消されてしまう場合がほとんどだ。
僕のすべきことは、たとえ一瞬でも実際に存在したポジティブな光景を、消えぬ間に永遠のものとして写真に残すことだ。
僕は願う。カメラが記録した一瞬が、ずっと続いてくれないかと。
そして、こうした写真が、人々の心に希望を与え、いつの日か、人間が人間のことをもっと好きになる時が来ることを夢見るのだ。                          2009年2月   ハービー・山口」

世の中の人々の心が少しでもポジティブになれば、社会はもっとオープンにそしてピースフルになる筈だ。僕の究極の写真人生のテーマは世界を平和にすることだ。人々の心に清らかさを取り戻したい。そんなことを毎日思っている。
会場で多くの人が僕に同じ質問をしてきた。「こういう写真は撮る時に相手に断って撮っているんですか?それにしては自然な表情をしているんですけど、、。」
その答えは相手に声をかけているのだ。相手に声をかけないで、カメラの存在を気付かせないのをスナップというのなら、僕の写真は、相手にカメラを認識させ、その上で自然な表情をすくい撮るスナップ・ポートレイトとでもいうべき分野だ。この分野では、あかの他人に出会った直後、まるで旧知の仲のような空間を作り出すことが勝負の別れ目になる。
そこが難しさであり面白さでもある。被写体へのアプローチには、写真を撮らせていただくという謙虚な気持ち、相手への尊敬や感謝の念が必要だ。そうした誠実でひたむきさが相手に伝わり、はじめて一枚の写真となっていくのだ。
こうした相手にアプローチするにはまず、自分の心がオープンでないといけない。心が塞いでいる時は人に声をかける気にもならない。心のコンディショニングがとても大切だ。オープンな心を持っている時は実にスムーズに相手に近寄っていける。
「写真撮らせて下さい!」これだけで済むのだ。そうした中で、撮る理由を説明しなくてはならない様な場合は、「あのー、働いている人の力強い顔を撮っているんですけど」、とか「すごく幸せそうな一瞬を撮らせていただけますか?良い写真が出来たら個展に出品させていただきたいんですが。」と言葉を続けることにしている。
その結果、上手くこちらの誠意が伝われば撮影OKだ。相手が働く職人さんであろうと、女子高生であろうと声かけの基礎を支えているのは自分の中にある写真に撮りたいという情熱である。
同時に大切なのは笑顔で自然に話しかけることだ。すると相手に入り込む一分の隙間が出来るのだ。誰でも他人を警戒する気持ちはある。スナップが難しいといわれる現代、僕も難しさを感じている。こうした時代に抗するのは我々写真家の良心しかないだろう。
そして写真に撮られて喜んでくれる人だって沢山いるのだ。相手にぶつかって行こうではないか。そうやって撮った一枚一枚が積み重なって何年か経ち個展へとつながっていくのだ。撮らせてもらった時の嬉しさはひとしおで、個展が開けた時の高鳴りは幸福そのものだ。
ましてや写真集にでもなろうものなら生き甲斐を感じてしまう。 他人に声をかける、この小さな勇気が無限の喜びにつながっていくのだ。 一年に何冊もの写真集や個展を手掛ける写真家もいるし、何年かに一冊という寡作な写真家もいる。一生に一冊という写真家もいる。
いずれにしても、プロであろうがアマチュアであろうが自分のペースで人の心に感動を与える一枚一枚の積み重ねを、希望を持って続けるのが写真家としてあるべき姿なのである。